吸血鬼は僕のために姉になる/感想/周回遅れの人生録

著者:景 詠一 イラスト:みきさい

★★★☆☆

今回は「吸血鬼は僕のために姉になる」という本を紹介します。

第8回集英社ライトノベル新人賞「銀賞」受賞作。著者は景 詠一様です。

丘の上の屋敷には、盲目の吸血鬼が住んでいる。そういう噂を聞いたのは、僕がとても小さな頃だ。唯一の肉親であった祖父を喪った僕は、件の女性、霧雨セナに引き取られた。彼女の正体は噂通りの吸血鬼。ただし、性格は心配性でおせっかいの姉といった感じで、おまけに物理的な距離が常に近い。そんな彼女のまわりには、一つ目の怪物、犬の郵便配達員など、多種多様な生き物が溢れていて、それらが視える僕には特別な力が宿っているらしい。未知の世界で新しい家族――吸血鬼・セナをはじめとする人外の存在と絆を深めるラブコメディ。第8回集英社ライトノベル新人賞《銀賞》受賞作!

以下、ネタバレを含む感想です。

 

幻想種という超常の存在が気付かれないだけで、すぐ近くにいる世界。祖父を亡くし、身寄りを失った波野日向は、祖父の遺書を頼りに霧雨セナのもとを訪ねる。彼女の家は、小学生の頃に、盲目の吸血鬼が住んでいるという噂を聞いた場所だった。

は自身が吸血鬼とのハーフだと語るセナの言葉を冗談だと受け取っていたが、ある出来事を機に、世界には幻想種と呼ばれるものがいる事と、彼女幻想種と人間の仲介をする幻想管理人であったことを知る。

世界の薄皮が剥がれ、身近に幻想種がいることを知った日向は、彼女らと向き合い、時には傷つけ、時には失い、関わりあっていく。そんな話。

 

感想としてはだいぶ駆け足。食欲と愛情の間で葛藤する鬼下の名前を知らない親友幻想種に愛され幻想種を愛した曽祖父。それぞれで1冊書いて欲しかったな。序盤、中盤では満足に感情移入出来ずに事態が進んでいくので、残念だった。

しっかり感情移入出来た終盤。親友との顛末は素晴らしいものだった。

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