Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王/感想/周回遅れの人生録

著者:古宮 九時 イラスト:chibi

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今回は「アンネームドメモリー1 青き月の魔女と呪われし王」という本を紹介します!!

小説家になろうに掲載されている作品。著者は古宮 九時様です。

私は基本、単行本は買わないのだけれど、この作品アンネームドメモリーは秒でポチった。今まで脳内補完していた2人の姿が見れてとても幸せ。

読者を熱狂させ続ける伝説的webノベル、ついに待望の書籍化!

「俺の望みはお前を妻にして、子を産んでもらうことだ」「受け付けられません!」永い時を生き、絶大な力で災厄を呼ぶ異端――魔女。強国ファルサスの王太子・オスカーは、幼い頃に受けた『子孫を残せない呪い』を解呪するため、世界最強と名高い魔女・ティナーシャのもとを訪れる。“魔女の塔”の試練を乗り越えて契約者となったオスカーだが、彼が望んだのはティナーシャを妻として迎えることで……。

以下、ネタバレを含む感想です。

 

剣と魔法の世界で700年もの間、統治を続けている国ファルサス。その国の次期王位継承者の青年オスカーは15年前「沈黙の魔女」子孫を残せない呪いを受ける。は呪いを解くための手掛かりを求めて、試練を達成すれば望みを叶えてくれるという「青き月の魔女」ティナ―シャのもとを訪ねる。

無事に試練を達成し、呪いの解呪を求めたオスカーの事情を聞いたティナ―シャはこの呪いは母体に耐えられないほど強力な負荷をかけるものであること、耐えられる人間はいるかどうか分からないこと、呪いは非常に複雑で解呪が難しいことを告げる。

気まずい沈黙の中、彼女なら呪いに耐えられることに気づき、試練を達成した者の望みとして彼女が妻になることを求めるが、当然そんなことは受け入れられないと彼女は拒否する。押し問答の結果、は時間をかけて彼女を口説くため、1年間自身の傍にいることを望む。

こうして、呪われた王と青き月の魔女の物語が始まる。

 

彼女をファルサスに連れ帰ってからもオスカーティナ―シャ「呪いを解かなくてもいいから結婚しよう」「いいえ、その呪い解くので結婚しません」という掛け合いを続ける。うん、めっちゃ好き。なんというか、2人の会話には飾りが無いんだよね。片や、頭脳と武力と王としての器を備えた賢君。片や、400年もの歳月を生きる世界最強の魔女。なのに、結婚うんぬんの話をしている時は年相応というか、見た目相応の言葉になる。

最初オスカーは「ティナ―シャと結婚したら、退屈しなさそう」ぐらいのノリで口説き始めるのだけど、物語が進むうちに見えてきた、とても届かない彼女との隔絶した年月の差と、自分は魔女であり異質な者であると線を引く彼女を知って、彼女の孤独に触れたい、彼女を大事にしたいとそう思っていく。

一方で、友人であり魔女でもあるルクレツィアから「枯れている」認定されていたティナ―シャは自分が生きている目的と、魔女として自らが引いた線のせいで、初めは変わった契約者だなとしか思ってなかったようだけど徐々に惹かれていっているのは分かる。スキンシップを無意識に受け入れていたり、傷や孤独をオスカーだけには見せていたり。

丸々1巻かけて「オスカーに好かれている自覚を持つ」というところまでしかいかなかったことを見て、先は長そうだなぁと思うけれど、この2人の恋路ならいつまででも見ていられるとそう思えた大満足の作品だった。

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